音楽

芸術の秋

早いもので今年もそろそろ11月、暑い暑いといっていたついこの間からすっかり“寒くなってきましたね”の挨拶に変わるこの頃です。

この時期はよく芸術の秋ともいわれコンサートが目白押しです。前回のこのコーナーでも書きましたが多すぎて案内はもらってもほとんど行けない会になっています。さらには自分自身で行きたい見てみたいイベントも別口でありますから、なおさら仲間内の会は遠のいていきます。六本木の国立新美術館で開催しているフェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展http://milkmaid.jp/なんかも見てみたいし、昨日までやっていたBUNNKAMURAの「ヴェネチア絵画のキラメキ」http://www.bunkamura.co.jp/museum/index.htmlもとうとう見なかったしと・・・といつも後悔後悔です。

この教室がある東急線の青葉台にはフィリアホールという立派なホールがあって(教室の発表会もその小部屋を毎年使わせてもらっていますが)、会場の運営側ではけっこう内外の一流どこを招いてのコンサートを企画して地元の人気を得ているみたいです。

ギター関係ではおなじみの“女神シリーズ”?に必ず出てくる村治佳織がまだまだ一番人気でチケットはすぐに売り切れるそうです。男性陣ではなかなかそこまでの人気アーティストはいないようで、この11月30日の11弦ギターで有名なセルシェルの会も6月から発売されていながらまだ入場可能のようです。わたしもレッスンがない金曜日の夜なので聴いてみようかなとは思うものの、翌日が発表会なので準備の都合で見送ることにしました。

それにしてもこれらのコンサートの宣伝文句は通常はたいして気にかけませんが、気にしてみるとなかなか面白くて、これいいの?と思わせるようなフレーズによく出会います。セルシェルの“ギターの幻想空間へ誘う世界的名手”このくらいはまだいいのですが、同じチラシのヨークのフレーズでは“クラシックとジャズの見事な融合、熱い視線を浴びるギタリスト=コンポーサー、注目の・・・・・・”となっています。ジャズの世界でのヨークなんてあまり聞いたことがないし、そんなに熱い視線誰が送っているんだろう?なんて余計なことを考えたりします。でもこの程度も範疇といえば範疇で、なかには“恐るべきテクニック、すべてのリスクは無縁であると”いった怖いフレーズや定番の“不朽の名演”なんかはいたるところで見ます。“不朽の名演”がこんなにあってはまさに“普通の名演”のことと同じで、不朽の上をいく言葉を考え出さなくてはなりません。ただ、これらがありきたりの言葉で書かれるとそれはそれでそそられないチラシになるのは確かだし、ミートホープや何とか地鶏と違ってこれはこれであまり害はないからいいのかな?とも思ったりして・・・。

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ブラームスとバリオス

昔からの知り合いでいろいろ活躍しているピアニスト石鍋妙子さんからコンサートの案内が送られてきた。この季節はこうした案内がギター仲間その他から目白押しで、久々なのIshinabe07_2 で演奏を聴いて顔も見たいのとは思うものの、レッスンはつぶせないし教室のイベントもあったりとなかなかむずかしいところです。

石鍋さんは若い頃よりピアノへの夢をふくらませていましたが、早くに結婚いきなり子育ての生活に入ったため活動を中断、その時期が過ぎたいま堰を切ったようにピアノを弾いています。今回の演奏は何年か前に聴いたラズモフスキー弦楽4重奏団との共演、前回の時もその熱演ぶりが多いに楽しめただけに期待大です。

そういえば彼女のプログラムにはよくブラームスが入っていて過去にもソロで何度か聴きました。我々ギターの世界にはまったく縁のない作曲家といえる一人で、いままで何十年間ギタリストが彼の曲を弾いているのを見たことがありません。もちろんオリジナルの曲はないと思いますが数曲ぐらい誰かアレンジしていてもと思うのですが、これまた見たこともありません。ブラームスといえば一般的には「ハンガリー舞曲集」の第5番くらいしか耳にしたことがないと思います。わたしも小さい頃このレコードが家にあり何度も聴いていた記憶があります。

このところすっかり秋めいてちょっとさみしくなったこの季節、久々にバリオスの自演のCDを聴きました、この曲も覚えたいなぁーと思いながら聴くバリオスの演奏はローカル色に染まっていて、まさに演歌の世界に近いものがあります。驚くほど軽々しく動く指もなぜか今ひとつ洗練されていません。セゴヴィアがバリオスを弾かなかった理由は知りませんがこんなことも関係あるのかなと考えたりします。ふとCDから流れる土臭いメロディー “Aire de Zamba”(サンバ゙の調べ ~アルゼンチン・サンバ~) いやぁ~、これはまさに古賀メロディーだぁー、と思わず苦笑!ちょっと、どんな曲かと自分でギターを持って弾いてみますと、これがまたしびれるほどの心地良さ。横にグラスでもあれば人によってはウッーとこみ上げてくる気分です。

いまごろ、彼女はプログラムを猛練習しているかしら。曲も長大で構成も解釈もむずかしくそれこそ格闘中ともいえそうです。彼女はもちろんバリオスなんて知らないでしょうから、ほとんどの曲がわずか5分足らずで繰り広げられるバリオスの音の世界は(この“Aire de Zamba”はわずか3分弱の曲)まさになぐさみの異空間かも知れません。ブラームスのあと、ぜひ一度、聴いてもらいたいものです!

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